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減衰世界@decay_world

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2016年11月22日(火)2 tweetssource

11月22日

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減衰世界@decay_world

このアカウントは一つの大きな世界を軸に、様々な主人公たちのドラマを追った短編集を不定期更新するtwitter小説アカウントです。基本的に近代ファンタジーで、魔法やダンジョン、不思議な機械などがよく出てきます。まとめはこちらから↓
togetter.com/id/rikumo

posted at 19:42:26

2016年11月20日(日)13 tweetssource

11月20日

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_壺の破片を注意深く小さくして、モザイク画のように並べ、モルタルで固め、一つの絵にする。そこには私の理想とする世界があるはずなのだ! 何故なら……釣りをしている彼の隣には、すでに私の姿が描かれていたのだから。 18

posted at 20:57:05

11月20日

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_私は壺の破片を捨てることができなかった。家族には理解されなかったが、それでもよかった。私は予感がするのだ。私の追い求める世界が……この破片にあると。私は店からモルタルを買ってきて、作業に取り掛かった。 17

posted at 20:53:28

11月20日

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_あのときの青年だろうか……あの世界の記憶の最後、青年の名前を聞いた気がした。彼は……楽園を手に入れたのだろうか。彼の名前は、奇妙なことに私の祖父と同じ名前をしていた。 16

posted at 20:45:47

11月20日

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_しゃがんで破片をひとつひとつ拾い集めていると、先程の不思議な世界が記憶の中で甦ってきた。私はこの世界に行っていたのだろうか。破片の一つを拾い上げ、あることに気付いた。記憶にない……釣りをしている人の小さな絵が描かれているのだ。 15

posted at 20:41:47

11月20日

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_そこで私の目は覚めた。どうやら取り合いをしている最中倒れたらしい。あの胡散臭い古美術商はとっくに逃げてしまっていて、家族はカンカンに怒っていた。あの壺は……地面に落ちて割れていた。取り合いの最中落としたのだろうか。私はため息をついた。 14

posted at 20:34:02

11月20日

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_この場所はどこですか? と私はいきなり問いかけた。青年は遠くを見つめながら返す。
「自分はやっとこの場所に辿りついたのです……長い、長い旅の果てに」
 その喋り方はどこかで聞いた気がした。どこかで以前会ったような……。思わず声をどもらせた後、私は青年に名前を聞いた。 13

posted at 20:27:05

11月20日

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_青年の風貌は、どこか自分に似ているのだ。しかし、生き写しと言うほどそっくりでもない。彼の横に座って、挨拶をした。青年は目を覚ますと、にこやかな笑顔で挨拶を返す。彼は大きなあくびをすると、いい天気ですねと当たり障りのない話題を返した。 12

posted at 20:20:04

11月20日

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_ふと、私は川辺で釣りをしているひとを見つけた。彼は異国の服をまとった青年で、釣りをしながらうとうとと居眠りをしている。私は彼の元へ歩いていった。彼ならこの世界のことを知っているかもしれない。近づくにつれ、奇妙なことに気付いた。 11

posted at 20:17:07

11月20日

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_私は、その世界が壺に描かれた風景そのものに思えた。遠くに森や山に抱かれる小さな庵が見える。平地は青々とした草に覆われ、雲はかすかに桃色がかり流れていく。川は川底が見えるほど澄んでいて、魚が飛ぶように泳いでいた。本当に、静かな世界だった。 10

posted at 20:11:39

2016年11月19日(土)14 tweetssource

11月19日

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_そこまでははっきりと覚えていた。だが、そこから意識が曖昧になって、どうしても思い出せない。なぜか私は、その後美しい自然の中にいた。庭先ではない。どこか遠くの山や川が広がる静かな場所にいたのだ。どうやってここに来たか、何故ここにいるかもわからなかった。 9

posted at 20:08:39

11月19日

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_私は思わず声を張り上げ、壺に駆け寄った。
「偽物でも大切なんだ。処分するなんて!」
「な、やめなさい!」
 そのまま古美術商と壺の取り合いになってしまった。偽物と言った当の古美術商は異常に壺に執着していた。私は壺を取られまいと必死に抵抗する……。 8

posted at 20:03:07

11月19日

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_やがて、例の壺が鑑定される番になった。古美術商は一瞬どきっとしてその壺を見た後、急ににやにやして母に言い始めた。
「ははぁ、これは大した値打ちもない模造品ですな。偽物ですよ、偽物。どうです、わたしが処分してあげましょうか?」
 母はそれを聞いて困惑した。 7

posted at 19:58:22

11月19日

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_時間通りやってきた小太りな古美術商は、ハンカチで額をぬぐいながら庭に置いてある様々な調度品を値踏みしていた。値段を書いたタグをぺたぺたと手際よく貼っていく。母は、信用できるのかしらとこっそり私に耳打ちした。私はじろじろとその古美術商を見ていた。 6

posted at 19:53:35

11月19日

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_そしてその日になり、庭にシートを敷いて上にいくつもの珍品たちが並べられた。私は例の壺だけは残してほしいとわがままを言った。家族は、あまり高く売れなかったらせっかくだから残しておこうと了承してくれた。家族もあの壺にどこか祖父のぬくもりを感じ取っていたようだ。 5

posted at 19:49:50

11月19日

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_珍しいものばかりなので、古美術商を招いて売り払うことにした。自分としてはあの壺は残しておいてほしかった。幼いころの思い出もあったし、この家から祖父の気配が全部消えてしまうのは寂しかったのだ。しかし、家族は家が狭くなると言って全部売るつもりだった。 4

posted at 19:44:34

11月19日

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_祖父がいなくなり、時がたち、壺にはすっかり埃が積もってしまった。そして、家の大掃除のついでに祖父の遺品を整理することになったのだ。祖父は世界各地の珍しい小物だとか調度品だとか家具などをいくつも収集していた。もちろんあの壺もそういった遥か異国の物であった。 3

posted at 19:41:18

11月19日

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_幼いころからその模様を見ては、この世界の物語をいつも空想していた。どんな世界なんだろう、風景に溶け込んだ不思議な庵にはどんな人が住んでいるんだろう。その絵を見るだけで、遥か遠くの幻想世界に旅立つことができた。いまは大人になってすっかり忘れてしまったが。 2

posted at 19:27:09

11月19日

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_家の片隅で埃を被り、飾られてある古い壺があった。白い磁器に青と赤で山水画のような美しい風景が描かれている。亡くなった祖父が生前大切にしていたものだ。その絵柄は独特のタッチで描かれ、どこの物とははっきりわからない不思議なものだった。 1

posted at 19:22:42

2016年11月16日(水)1 tweetsource

2016年11月15日(火)1 tweetsource

2016年11月14日(月)2 tweetssource

2016年11月13日(日)18 tweetssource

11月13日

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減衰世界@decay_world

【次回予告】
祖父の遺品整理をすることになった男の話。彼には、子供のころから大切に思っている異国の壺があった。その風景画に彼は魅せられていた……。過去作の加筆修正版です

次回「壺」

全18ツイート予定。実況・感想タグは #減衰世界 です

posted at 20:27:08

11月13日

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【用語解説】 【慣性を制御する魔法】
最も代表的なのは飛来物防護の呪文であろう。この系統の魔法は、対象物の質量が軽いほど、術者に近いほど、そして速度が遅いほど絶大な効果を発揮する。即ち、意識による物体移動の制御である。動いていないものを動かすのは別系統の魔法で、けた違いに難しい

posted at 20:16:15

11月13日

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「おじさんはどこへ行けばいいか分かるぞ。そろそろ昼飯の時間だからな……」
 建築物探知の呪文で帰り道を探る。ドイラは歩き出す。まばゆい緑の粘液を振り返って、視線を戻した。
「上へ参りまぁす」
 二人の目は変わらず闇の中で輝いていた。 30

posted at 20:06:36

11月13日

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_桜色の亀裂は静かに閉じていき、完全に闇に消えた。石油シルフは壁から滲みだしたまま、やはり静かにしている。儀式が終わったのだ。
「少年、いいものが見れたな」
「おじさん、僕を上まで連れてってよ。僕はどこへ行けばいいか……」 29

posted at 20:00:35

11月13日

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_それはすぐに分かった。壁から滲みだしていた緑の粘液。それはスライムではなかった。シルフだというのだ。粘液はぶるぶると震えて、声を反射した。
『我々は石油シルフ。どうぞ、よろしく……』
「石油シルフ!」
 鉱石シルフもいるのだから、石油シルフもいるのかもしれない。 28

posted at 19:53:57

11月13日

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_最近生まれた新しい仲間をシルフの眷属に加えるというのだ。そのための加入の儀式を執り行うという。
『シルフの統率にして風の生まれる場所、風神タジクの名のもとに……君を我々の眷属と認めよう』
 厳かな声。ドイラは周囲を見渡す。新しいシルフとは? 27

posted at 19:47:54

11月13日

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『シンデいただけないとは、とても残念なことデスガ、我々の儀式の証人になるには支障はアリマセン。見届けてクダサイ』
 どうやら必死の抵抗が届いたのか、殺すのはやめてくれたようだ。しかも、殺す必要はなかったらしい。
(悪戯ものめ)
 シルフは儀式の概要を話してくれた。 26

posted at 19:40:31

11月13日

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_恐る恐る見上げるドイラの目に映ったのは、緑の世界に蓋をするように上空に広がった、巨大な桜色の亀裂だった。まるで蜘蛛の巣のように細かい網目。
「逃げ場無し……か」
『お集まりイタダキ、ありがとうゴザイマス』
 シルフ語で話しかける低級シルフ。 25

posted at 19:32:33

11月13日

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「これは……」
 壁から滲みだした粘液が眩しいほど輝く。緑のモノトーンの世界だ。あちこちが星のように光り、闇を埋め尽くしていた。
「どうやら生贄に選ばれてしまったようだな」
「おじさん、上……」
 天井を見上げて絶句する少年。 24

posted at 19:26:49

11月13日

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_そのとき、光源装置の光が瞬き、急激に光量が落ちていく。
「しまった、残量が……」
「大丈夫だよ」
「そうか、君の暗視が……」
「おじさんの目、緑に輝いてる」
 ドイラは息を飲む。明かりが消えた。闇の中……緑の世界が広がる。 23

posted at 19:20:01

11月13日

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_光源装置で辺りを照らす。緑色の粘液があちこちの壁から滲みだしている。
「これは普通のスライムか……?」
 スライムにも無数に種類があるが、どれもこれも人間の役に立つために生まれた種族だ。計算に使用したり、情報伝達、食料、健康……色々だ。 22

posted at 19:13:22

11月13日

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_轟音。後に静寂。少年を抱えたドイラは魔法で慣性をコントロールしつつゆっくりと瓦礫の山に着地した。
 足場を自らの魔法で破壊し、より下の階層へと逃げ込んだのだ。
「おじさん、街を壊したね」
「放っておいても勝手に壊れた場所だ」 21

posted at 19:07:38

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