きれいなカラーリングのセルロース製棺桶を火葬炉に入れた後、茶碗蒸しのお椀くらいの小さな骨壺を砧聖苑から持って帰ってくるのが、ロハス・ピープルらしいクールな葬儀になった。 #AJT posted at 19:37:04 それまで火葬場を持たなかった東京世田谷区が、砧公園脇に建設し、二○一四年にオープンさせた砧聖苑は、地球に優しい、新しい火葬のスタイルを提案する斎場だった。 #AJT posted at 19:35:08 しかし、ANTI CREMATION, NO ASH FUNERALといったアメリカでのアンチ火葬キャンペーンは、環境問題に敏感なロハス・ピープルを刺激した。火葬の方法を問い直そう。そういうムーヴメントが、いつしかファッショナブルな盛り上がりを見せ始めた。 #AJT posted at 16:30:10 長年の努力にもかかわらず、火葬率三十パーセントにとどまっていた中国は、一転して、伝統的な土葬や鳥葬の禁止を解除し、火葬にアメリカ以上の多くの法的制限を設けた。とはいえ、中国政府はよく知っていた。法律がどっちに転ぼうとも、中国人は風習をあらためなどしないことを。 #AJT posted at 12:05:58 過去数十年、中国は火葬を奨励し、土葬を法律で禁止すらしてきた。それでも、伝統的に土葬や鳥葬を行ってきた人々は、なかなか風習をあらためなかった。鳥葬というのは、高山の岩の上などに死体を置いて、禿鷹などに食べさせる埋葬法だ。 #AJT posted at 12:05:42 日本人は全員、自分の死後にまで二酸化炭素を発生させて、地球温暖化を加速させている。なんとエゴイスティックな。 そうやって日本の火葬率をあげつらうことは、京都議定書を拒み続けてきたアメリカ合衆国が矛先をかわすための、格好のネタとなった。 #AJT posted at 12:03:59 二酸化炭素を増加させている最大の要因は、言うまでもなく、一世帯あたり一・五台以上の車を持つアメリカのモータリゼーションだった。それに比べれば、ひとりの人間が一生に一度、自分の身体と棺桶を灰にするくらいのことは、影響力としては取るに足らないレベル。 #AJT posted at 12:02:31 米議会で火葬制限法案が議論される間に、その火の粉は合衆国の外にも、飛び火した。アメリカ人にとって好都合だったのは、火葬率、九九・九パーセントの国が大平洋の向こう側にあったことだ。日本をバッシングしたくて仕方ない人々はこれに飛びついた。 #AJT posted at 12:01:45 火葬を行う際には、宗教上の理由などを添えて、届け出を行うことを義務化する。火葬用の棺桶の材質や重量に限度を設けるなどの制限を盛り込んだ法案をブジャックは民主党のカレン・ティルブルック下院議員とともに、議会に提出した。二○一二年、その火葬制限法案はするすると成立した。 #AJT posted at 12:01:02 キリスト教やイスラム教やユダヤ教では伝統的に火葬への禁忌が強かったから、わざわざ、火葬を望むのは仏教徒などの少数派の人々だった。ブジャックはもちろん、このキャンペーンに反対するのは、マイノリティーだけだということを読んでいた。 #AJT posted at 12:00:25 ブジャックのこのキャンペーンが「NY POST」や「USA TODAY」に取り上げられると、反応はすこぶる良かった。そもそも、米国内での火葬率は二十パーセントを越える程度に過ぎない。 #AJT posted at 12:00:03 火葬を行えば、あなたの身体は二酸化炭素となって、未来の地球を蝕む。貴重な森林資源を使ったあなたの棺桶も然り。アッという間に煙となって終わりだ。それでもあなたは火葬を望むのだろうか? 未来の地球を汚してまで? #AJT posted at 11:59:02 ニューカロライナ州選出の共和党の下院議員、ケイシー・ブジャックもそんな人間のひとりだった。彼は数年前から二酸化炭素に狙いを定めていた。そして、ある日、議事堂の廊下で思いついた。火葬を制限する法案を。 #AJT posted at 11:58:20 二酸化炭素を倒せば、ヒーローになれる。自分自身が起きている時も眠っている時も二酸化炭素の製造機だいうことは忘れて、人類のために二酸化炭素と闘う人間達が、そこいらじゅうを闊歩し始めた。ワシントンの連邦議会議事堂ももちろん例外ではなかった。 #AJT posted at 11:58:05
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last update 06/03 13:22
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