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» @koyamaaaaaaa
『こころ』夏目漱石/小説 これは復讐の話だ。私はそう思う。先生は、結局はKを死に至らしめたものへ復讐するのだ。静の無邪気に。奥さんに。自分自身に。その呪いじみた悪意を完璧に描きながらそれを覆い隠すためだけに、主人公の不完全な視点は用意されたのだろう。 posted at 15:56:32 『唯物史観と現代の意識』三木清/哲学 人間と人間の「関係」および人間と自然の「関係」を「交渉的関係」(=「振る舞い」)と訳し、マルクス主義の人間学的解釈を行っている。マルクスの理論が「実践」を根本原理として構成されていることを、様々な側面から明らかにしたスリリングな試み。 posted at 12:09:04 『本朝変態葬礼史』中山太郎/民俗学 本国の変わった葬礼に関する事例を収集したもの。民俗学の成果、というよりは、今でいう実話ナックルズみたいな雰囲気で(良い意味で)楽しく読めた。ただし、古代における屍体の扱いの変遷、各地への取材の様子はかなり読み応えがあり、本文には図版も含まれる。 posted at 12:08:29 『彗星の話』豊島与志雄/童話 童話でありながら、その結末に道徳や教訓めいたものは感じない。人がきっぱりと生きてきっぱりと死ぬ、そんな晴々しさがそこにはある。「彗星の話」というタイトルが優しい。 posted at 12:07:43 『何を作品に求むべきか』小川未明/芸術論 芸術家もその享受者も、いずれにせよその肉体は現実にしかない以上、芸術は、定点カメラのスペクタルから私たちを遠ざけるものじゃないといけないと思います。再現された現実も、用意された現実も、どちらもそのための手段でしかない。と思う posted at 12:07:23 『X氏の手帳』堀辰雄/小説 ある巡査が黒革の手帳をひろい読む話。シンプルに怖い。 posted at 12:07:01
『神戸』古川緑波/随筆 戦時前後の神戸のグルメ稿。神仙閣やユーハイム、ドンクといった現在の老舗の名も出てくる。伊藤グリルが大衆店だったなんて信じられないが、「狭い路地の汚い豚饅頭屋がべらぼうに安くて信じられないくらい美味しい」のと「元町寂れてる」のは、70年も変わらないんだな。 posted at 10:17:43 『人間性の深奥に立って』小川未明/教育論 「今日の習慣なり、風俗なり、礼儀なり、或は又道徳と云ったようなものは、今日の社会組織の約束の下になったものが多く、ほんとうな人間性のそれではないのである。」でも、人間性みたいな精神的要素を、教員の素質においてのみ担保するのは難しいと思う… posted at 10:17:02 『恢復期』神西清/小説 療養中の少女が薬包紙に綴った日記という形で書かれた小説。その筆の明晰と緻密は、十八歳の少女とは思えない。「熟」とは時間の積み重ねではなく、死の淵がいかにリアルに自分の足元に打ち寄せるのかを知ることなのかなと思う。「熱情さへも線によつて現はさるべきである。」 posted at 10:16:21 『人間否定か社会肯定か』小川未明/芸術論 小川未明の愛情とか眼差しって、潔癖で、ちょっと傷つくよな。作品は好きなんだけど。 posted at 10:15:31
@katayama_s 誰かを叩きたい人達は大勢いて、それは芸能人でも政治家でも、どちらでもいいのです。片山先生、どうかそんな人達の鬱憤を晴らす道具に成り果てないで下さい。お願いです。 posted at 13:23:19
『眉かくしの霊』泉鏡花/怪奇小説 お艶は、伊作や境の語りのなかにしか存在せず、その内面は主に伊作の推測によって補われる。境が日常生活の不思議を、認識によって切り離したために、その切れ目から覆い隠されていたお艶の霊が発見されたのだ。だから遺恨を持たないお艶は、境だけに現れるのだろう posted at 00:01:07
『木の葉山女魚』佐藤垢石/随筆 「澄んだ渓水の中層を落葉に絡まりながら下流へ下流へと落ちていく魚がある。これを木の葉山女魚という。」山女魚おいしいよ山女魚。美味しいことは美しいことなのですね。 posted at 21:01:51 『智恵子の半年』高村光太郎/手記 壮絶な狂気も、逃げ場のないソリッドな現実も、圧倒的な美意識の前にはこんな風に文学に昇華されてしまう。これって愛なのかな。愛でなければならないのだろうな。 posted at 11:55:05 『香魚と水質』佐藤垢石/随筆 鮎の香気やその骨の柔らかさを口にした時、その鮎が口にする苔や水の温度を舌で味わう感性。食品の耽味という人間の傲慢が、このように世界と健やかに通じることに希望を感じる。垢石の多摩川の鮎厨への視線の厳しさは異常。 posted at 07:48:31 『支那近世の國粹主義』狩野直喜/中国論 当時の支那の「國粹保存」を、文明や学制について検証した論文である。日本の国粋と帝室の関係と比較し、「支那の國粹は支那人が古昔から持つて居たもので現朝は異人種で支那人を征服しながら却て支那の文明に征服されて其恩惠に浴した譯である」と述べている posted at 00:50:56
『税務署長の冒険』宮沢賢治/小説 密造酒の取締というテーマといい、推理小説風の展開といい、ちりばめられた大人向けのユーモアといい童話の趣ではなかったが、こんなに面白い作品があったことを知らなかった。創作の地名が、賢治的な風景を想像させるのに大変効果的なアイコンとして機能していた posted at 23:45:07 『採峰徘菌愚』佐藤垢石/随筆 垢石が美味であると評したものであれば、私も何であっても食してみたいと思うのだろう。それが蜂のこであっても。 posted at 23:44:43 『二筋の血』石川啄木/小説 「血」は男女双方において共同体からの疎外者を結びつけるテクストであり、亀裂として血が走るとき、逆に故郷という閉じた物語を相対化する意味を持つのだろう。それでも、新太郎の語りには、ただただ郷愁感だけを感じられるのであって、多分それは私が知っている痛みだ。 posted at 23:20:33 『十二支考』(01~11)南方熊楠/民族論 牛を除く干支の動物の各々について、生態・史話・信仰など熊楠の知見がとにかく縦横無尽に纏められたもの。何だかもう、「博覧強記」という言葉が意思を持って文章に化けて襲いかかってくるような迫力がある。ヒィヒィ言いながら何とか読むの楽しかった posted at 22:54:36 『るしへる』芥川龍之介/小説 芥川による悪魔観。「るしへる」とか「いんへるの」とか、当時は緊張感のある表現だったのだろうが、現代で読むとにゃるこさん的なアレを想像してしまう。しかし視点はかなりシニカルで、曰く「悪魔また性善なり。断じて一切諸悪の根本にあらず。」 posted at 21:55:14 『日本大地震』斎藤茂吉/随筆 関東大震災時、ミュンヘンにいた茂吉が知らせを受けた心情、不確かな情報に翻弄される状況が記されている。「歌舞歓楽に一時の自分を慰めてゐても、何処かにこれを是認せぬものがある。つまり心が一つでなくて、二つになつてゐる。」 posted at 21:24:10 『宇宙戦争』海野十三/小説 宇宙戦争もののSF。かなり丁寧な科学的な説明が随所になされていた。戦時中の作品でありながら、戦闘や想定敵の描写を通じて戦意を煽るような印象はなく、むしろ科学技術に対するポジティブな夢を通じて、筆者の未来への希望が十分に感じられる。 posted at 21:21:06 『作男・ゴーの名誉』チェスタートン/小説 「盗賊の仕業なら、こうした謎を残しては行かない。」ミステリーの礎となる名言。この作品の謎はとびっきり不吉で、ゾクっとした。 posted at 21:19:18 『偶人信仰の民俗化並びに伝説化せる道』折口信夫/民族考察 人形やら傀儡にまつわる民間信仰の諸相に関する論文。「神を迎へるのと、穢禍を背負うた形代流しとが結びついて出来たもの」、つまり神送りと祓除との結合が雛祭りで「金をかける様になつて、流さぬ様になつた」で座敷雛を思い浮かべた。 posted at 20:15:03 『地図にない街』橋本五郎/小説 都市伝説的な怪奇談。読後の薄気味悪さは浦島太郎に近いかもしれない。この頃の都市幻想が透けて読めるという点も面白かった。 posted at 16:58:59 『わかしとおゆと』折口信夫/国語論 「論理的観念の乏しかつた古人は、すく―な・いとか、みじ―か・いとか、わか・いとか、ちひ―さ・いとかいふ、すべて、少といふ概念に包括せられる語を、一括して、おほ・しといふ語にむかへて居る」 posted at 16:58:13 『業平文治漂流奇談』業平文治漂流奇談/落語 主人公である業平文治の勧善懲悪ストーリー。落語は伝統芸能とされることで、現代の言語システムに微妙に適応しながら、演出として言い回しがそのまま残っててしかも理解できる。当時をそのまま活字で書き起こされると、読み物として全然魅力を感じない… posted at 08:35:58 『芸術家と国語』宮本百合子/芸術論 議論のテーマが大変に大きいなので、この短さでは何も共感できるところはなかった。日本語の見た目について「字画がグロテスク」という指摘は、その発想は無かったかもと思った posted at 07:15:19 『センチメンタル・ドライヴ』牧野信一/小説 うひー!ってなる。読後感が「僕は、たゞ滅茶苦茶にこの一本道をカツ飛してゐたゞけ!」でまさしく!みたいな。センチメンタル、のニュアンスはもしかしたら少し違うのかもしれないが、爽やかな印象はそのままです。 posted at 07:14:23 『渡り鳥』太宰治/小説 文中、太宰が文人のオリジナリティについて触れる節がある。太宰の作品の中では、他人の手記の装いで著された傑作も多い。「文人の胃袋と消化」というテーマ設定、軽い文体による厳しい批判に、太宰自身の深い苦悩を覗き見た気がする。 posted at 07:13:52 『東京湾怪物譚』佐藤垢石/随筆 大きな生き物と人間の生活の関係というストーリーは、その時代や場所の人の生死観に直接続いているものだと思う。この時期の東京湾にいたアシカについての記述あり。ニホンアシカが滅んだのは明治だったと思うけど… posted at 00:26:07 『爾雅の新研究』内藤湖南/中国語論 爾雅という古い字体の成立の過程を検証し、そこから古典の成立を演繹的に考察する短めの論文。考現学を過去にさかのぼって行うことによって考古をする、というアプローチはロマンチックで、この論文はこの分野でどう評価されたのかは知らないが、興味深く読めた。 posted at 00:22:38
『魔味洗心』佐藤垢石/随筆 「~あたりで漁れる山女魚は、頭から尾筒に至るまで、むっちりと肥って、触れれば体温でもありそうだ。舌ざわり細やかな脂肪に富んで、串にさして榾火に当てれば、脂肪が灰に漏れ落ちる。」最後の一節に、この幸せな随筆がどのような状況で書かれたのかが記されている。 posted at 19:47:56 『やまなし』宮沢賢治/文学 水底が舞台なのに、濁れや汚れを全く想起させずによくここまで幻想的にいのちを描けるなと感動した。十何年ぶりに読んでも印象変わらず。文句なしの傑作。 posted at 19:47:06 『国語の自在性』西田幾多郎/国語論 言語の民族的優位性を根拠にしながら、純粋性ではなく自在性を主張した小論文。入試にでそう… posted at 19:29:18 『榛名湖の公魚釣り』佐藤垢石/随筆 榛名湖は公魚に由来する名であるそうだ。魚から名前をもらう水場っていいなと思うし、短いながらそれに足る釣景であったことが想像できる文章。公魚のような潔い完全な脈釣りはやったことがないので、行きたいな… posted at 19:25:58 『鰍の卵について』佐藤垢石/随筆 題名の通りの内容。今は鰍自身が貴重なので、こんな風に卵をごっそり獲ったりしたら怒られそうだな。 posted at 12:16:26 『モルグ街の殺人事件』ポー・エドガー・アラン/小説 犯人があまりにも有名すぎて今更な感じだけど、原文を読むのは初めてだった。過剰なまでに冗長な描写と言い回しは、おそらくその後のメジャーなミステリーの流れではそぎ落とされていったんだろうけど、古臭さは全く感じなかった。 posted at 12:15:21 『雑器の美』柳宗悦/工芸評論 「素朴な器にこそ驚くべき美が宿る。作は無慾である。仕えるためであって名を成すためではない。慾無きこの心がいかに器の美を浄めているであろう。」美が宿る、って言うけど、雑器に美を見出した柳宗悦自身の欲望は、じゃあ一体何なんだろうっていっつも思う posted at 12:12:23 『石亀のこと』佐藤垢石/随筆 鮎は本当に釣法が多彩でそのどれもが歴史深いが、河川の状況と鮎の生態は大きく変化した為に、かつての釣り人の楽しみは想像するより他がない部分もある。石亀なんて虫、聞いたこともないなぁ… posted at 12:09:44 『鉱毒飛沫』木下尚江/新聞 川俣事件(警察による足尾鉱毒被害民への武力鎮圧)の記事。「余は彼等人民に接し、専制政治に慣れたる国民の如何に深く政府を尊重するかを知れり。」と、もはや江戸幕府ではない当時の政権に対して、人民に開かれたものであることを期待する文章で締められている。 posted at 08:49:38 『想い出』佐藤垢石/随筆 囮鮎の仕掛けの老練と、麦わら帽子に揚げられた鮎の風景の瑞々しさ。短い文だけれど、釣りとはこういうものだと思います。 posted at 08:48:56 『石を食う』佐藤垢石/随筆 岩魚と鱒の食性について。山女の腹をさばいた時に、中に小石が入っていたことは確かにあるなぁと思いだした。 posted at 08:45:59
『濹東綺譚』永井荷風/随筆的な小説 お雪と大江匡の邂逅場面で、それまで書物の世界を漂わせていたストーリーに、雨がズカズカズカっと刺さって、季節感たっぷりの天候の変化と人間の息づかいによって信じられないくらい鮮やかに場面が変化する。玉の井ってどのあたりなのかな。 posted at 23:19:26 『餓鬼阿弥蘇生譚』折口信夫/民話考察 小栗判官考。袖もぎ地蔵と霊異記の聖徳太子の話の予備知識が必要。もっといろいろものを知ってたら、こういうスリリングな推理が何倍も楽しめるのだろうなぁ。 posted at 23:19:18 『南洋譚』中島敦/短編 夫婦における風俗習慣の描写は、そのようなものに私たちが感じる始原の心性の確実性を注視させる。そういう始原の濃度を、中島は南洋に求めたんだろうなと思う。 posted at 23:19:10 『清貧譚』太宰治/小説 「清貧」とは、「菊作りをやめる」という決断を下すに至る過程において、それ以前の自己を正当化するために持ち出した苦し紛れの主張だろう。でも才之介は全然つまらない男なんかじゃないのだ。「亦他異無し。」にその愛と幸福の証を読み取れるのだから。 posted at 23:19:02
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last update 06/03 05:37
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